1853年
57歳頃

レンブラントの木こり

画家 カミーユ・コロー →
The Woodcutter of Rembrandt (Le Bûcheron de Rembrandt) / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
細い木々の間に小さな木こり。コローがガラス版でつくった林の風景。

何が描かれているか

幹や枝が重なって暗い林をつくり、画面の下方には小さな木こりがいる。人物がすぐに見つからないほど、木々の線が密集する。題名のレンブラントは作者名ではない。
紙の地が明るく残る場所と、線が重なって褐色かっしょくになる場所を見比べたい。奥へ続く木立の中で人物を探すと、林の広がりが感じられる。

作品の見どころ

近くの幹は太く、奥の枝は軽い。線の太さと間隔が、木々の前後をつくっている。木こりへ視線を戻すと人物の小ささが森の深さを際立たせる。油彩ゆさい風景の色面と違い、ここでは引かれた線と紙の空白が画面を支える。
技法はクリシェ・ヴェール。ガラス面に手で図をつくり、光を通して感光紙へ焼き付ける。直接紙に描いた素描そびょうとは違う工程を経て、線が現れる。線の密集と明るい抜けを行き来しながら、木立の中の光をたどってみよう。

制作背景

所蔵館は1853年作とし、デルテイユ目録35番の第2状態、全3状態と登録する。「状態」は版の図が変わった段階を指す。
1853年は図像の制作年であり、この一枚の紙がいつ焼かれたかとは区別する。コローは油彩で知られるが、ガラス版でも木々と人物を組み合わせた。この印画は、風景を線から組み立てる制作の一面を伝えている。

作品情報

材質・技法
クリシェ・ヴェール(ガラス版からの写真印画)
版の情報
第2状態/全3状態(Delteil 35)
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー(1967.18.1)

出典・画像について

画像:Camille Corot《レンブラントの木こり》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 / Public Domain(画像情報:2026-10-02 確認)
所蔵館公開画像。Courtesy National Gallery of Art, Washington。全紙面と四辺を保って縮小。
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