何が描かれているか
幹や枝が重なって暗い林をつくり、画面の下方には小さな木こりがいる。人物がすぐに見つからないほど、木々の線が密集する。題名のレンブラントは作者名ではない。
紙の地が明るく残る場所と、線が重なって褐色になる場所を見比べたい。奥へ続く木立の中で人物を探すと、林の広がりが感じられる。
作品の見どころ
近くの幹は太く、奥の枝は軽い。線の太さと間隔が、木々の前後をつくっている。木こりへ視線を戻すと人物の小ささが森の深さを際立たせる。油彩風景の色面と違い、ここでは引かれた線と紙の空白が画面を支える。
技法はクリシェ・ヴェール。ガラス面に手で図をつくり、光を通して感光紙へ焼き付ける。直接紙に描いた素描とは違う工程を経て、線が現れる。線の密集と明るい抜けを行き来しながら、木立の中の光をたどってみよう。
制作背景
所蔵館は1853年作とし、デルテイユ目録35番の第2状態、全3状態と登録する。「状態」は版の図が変わった段階を指す。
1853年は図像の制作年であり、この一枚の紙がいつ焼かれたかとは区別する。コローは油彩で知られるが、ガラス版でも木々と人物を組み合わせた。この印画は、風景を線から組み立てる制作の一面を伝えている。