籠の聖母
画家 コレッジョ →The Madonna of the Basket / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
服を着せたい母と、じっとしていない子。鋏と毛糸の籠が、聖家族の暮らしを近づけます。
何が描かれているか
母が子どもに服を着せようとする、いつもの忙しいひとこま。けれど二人は、聖母マリアと幼いキリストです。そばの籠には鋏と毛糸が入り、後ろではヨセフが大工仕事をしています。聖家族を、衣服を縫い、働き、子を世話する家族として描いています。
作品の見どころ
幼子はおとなしく腕を通すのではなく、体をひねって手を伸ばしています。マリアもその動きに合わせて体を傾けています。灰色がかった衣と淡い赤、青の組み合わせに包まれると、日常の小さな手間まで愛情のやり取りに見えてきます。原画は高さ約34センチ。近くで眺めるための、小さな絵です。
制作背景
幼子に着せる衣は、後の受難へもつながる可能性があります。ナショナル・ギャラリーは、十字架の下で兵士たちがくじを引いた「縫い目のない衣」を連想させるかもしれないと説明しています。まずは身近な母子の姿を楽しみ、その奥に将来の物語が重なるという読み方もできる作品です。
出典・画像について
画像:Antonio Allegri (Correggio)《籠の聖母》/籠の聖母 — Antonio Allegri (Correggio) / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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