母に別れを告げるキリスト
画家 コレッジョ →Christ taking Leave of his Mother / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
旅立つ息子と、倒れそうな母。別れの悲しみは、顔だけでなく手にも表れています。
何が描かれているか
受難へ向かうキリストが、母の前にひざまずいて祝福を求めています。ところが母マリアは、息子との別れに耐えかねたように体を傾け、傍らの女性に支えられています。後ろではヨハネが両手を握りしめています。静かな別れの場面に、それぞれ異なる悲しみが集まっています。
作品の見どころ
中央の柱を境に、左には遠くへ続く風景、右には建物が置かれています。外へ出ていく息子と、その場にとどまる母。その隔たりを、ひざまずく姿と差し出された手がつないでいます。後の《この人を見よ》にも現れる、母子の苦しみを身近な感情として伝える描き方を、初期から見ることができます。
制作背景
この別れは福音書に直接書かれた場面ではなく、当時のドイツの宗教画や版画に先例があります。さらにX線調査では、コレッジョが一度描いた構図をやめ、カンヴァスを上下逆にして描き直したことが分かっています。現在の穏やかなまとまりは、最初から決まっていたものではありません。
出典・画像について
画像:Antonio Allegri (Correggio)《母に別れを告げるキリスト》/母に別れを告げるキリスト — Antonio Allegri (Correggio) / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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