1514年以前と推定
20代前半頃

母に別れを告げるキリスト

画家 コレッジョ →
Christ taking Leave of his Mother / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
旅立つ息子と、倒れそうな母。別れの悲しみは、顔だけでなく手にも表れています。

何が描かれているか

受難へ向かうキリストが、母の前にひざまずいて祝福を求めています。ところが母マリアは、息子との別れに耐えかねたように体を傾かしけ、傍らの女性に支えられています。後ろではヨハネが両手を握りしめています。静かな別れの場面に、それぞれ異なる悲しみが集まっています。

作品の見どころ

中央の柱を境に、左には遠くへ続く風景、右には建物が置かれています。外へ出ていく息子と、その場にとどまる母。その隔たりを、ひざまずく姿と差し出された手がつないでいます。後の《この人を見よ》にも現れる、母子の苦しみを身近な感情として伝える描き方を、初期から見ることができます。

制作背景

この別れは福音書に直接書かれた場面ではなく、当時のドイツの宗教画や版画はんがに先例があります。さらにX線調査では、コレッジョが一度描いた構図こうずをやめ、カンヴァスを上下逆にして描き直したことが分かっています。現在の穏やかなまとまりは、最初から決まっていたものではありません。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・カンヴァス
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
目録番号
NG4255

出典・画像について

画像:Antonio Allegri (Correggio)《母に別れを告げるキリスト》/母に別れを告げるキリスト — Antonio Allegri (Correggio) / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / 配布元の個別画像・利用条件(画像情報:2026-10-19 確認)
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