ガニュメデスの略奪
画家 コレッジョ →Entführung des Ganymed / 美術史美術館(ウィーン)
鷲にさらわれる人と、地上で見上げる犬。縦長の形が、離れていく高さを伝えます。
何が描かれているか
大きな鷲がガニュメデスを抱え、地上から連れ去っています。下では犬が主人を見上げています。鷲の正体は、姿を変えたユピテル。空へ運ばれる人と地上に残された犬を縦長の形に収め、いま起こっている移動の大きさを伝えています。
作品の見どころ
上へ伸びる腕、斜めにひねられた胴体、空に残る足。その向きをたどると、鷲と人物が一緒に浮かび上がるように感じられます。天井画でも追求した、下から見上げる体の描き方が、ここでは神話の一場面を動かす力になっています。低い位置の犬が、その高さをいっそう際立たせます。
制作背景
同じ美術史美術館の《ユピテルとイオ》と対になっています。雲に隠れる神と、鷲となって空へ出る神。二つの変身を並べると、閉じた抱擁と大きな上昇という違いも見えてきます。題名の「略奪」が示すとおり、神に連れ去られる物語であることも押さえておきたい作品です。
出典・画像について
画像:Antonio Allegri (Correggio)《ガニュメデスの略奪》/ガニュメデスの略奪 — Antonio Allegri (Correggio) / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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