責められる男の前で、サテュロスが笑っています。快いものと苦しいものが近づく寓意画です。
何が描かれているか
木の前に座るひげの男が、三人の人物に責められています。蛇を持つ者、耳元で笛のような楽器を鳴らす者、足を木の切り株へ縛ろうとする者。手前の小さなサテュロスだけは、こちらに笑顔を向けています。穏やかな風景の中で、どこか居心地の悪い出来事が進んでいます。
作品の見どころ
中央の男は体をねじり、周囲の人物もそれぞれ別の方向から迫ります。《美徳の寓意》の整った立ち姿に対し、こちらでは身動きの取りにくさが目に入ります。笑うサテュロスに誘われて見ているうちに、楽しそうなものが苦痛へ変わっていることに気づかされます。
制作背景
イザベッラ・デステの書斎で、《美徳の寓意》と対になっていた絵です。1542年の目録は、この場面をアポロンとマルシュアスの物語として記しています。後の研究でも人物の意味は議論されていますが、悪徳の危うさを戒める絵という読み方が続いています。甘美な聖母子だけでは分からない、コレッジョのもう一つの表現です。
出典・画像について
画像:Antonio Allegri (Correggio)《悪徳の寓意》/悪徳の寓意 — Antonio Allegri (Correggio) / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
配布写真の全体を比例縮小して掲載。色補正・内容の切り取りは行っていません。
間違いを見つけたら、教えてください →実物を見に行く
まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。