目を見開き、頭を抱える若い自分。写実主義の画家になる前の、激しい表情を試した自画像。
何が描かれているか
若いクールベが両手を頭に当て、目を大きく見開いてこちらを見る。白いシャツの袖が左右へ広がり、乱れた髪と顔が画面の中心を占める。背後の暗い色に対して、額、頬、腕には強い光が当たる。周囲の場所を説明する物は少なく、顔に近づいた構図が、見る側を人物の激しい表情と向き合わせる。
作品の見どころ
目の白い部分や赤みのある頬、開いた口を順に見たい。両手と両腕が顔を囲み、胸元の白い布が暗い背景から浮かび上がる。描かれているのは穏やかな記念写真のような姿ではなく、表情と身振りを組み立てた自分の像である。題名だけで実際の出来事を決め付けず、光と姿勢が緊張をどう作るかを確かめられる。
制作背景
制作年は現行のオルセー記録では1844〜1845年頃。クールベはこの自画像を生涯手元に置いた。のちの庶民や風景の絵だけでは分からない、若い時期の劇的な自己表現を示す。現在はカタール・ミュージアムズの所有で、2025年からオルセーへ長期貸与されている。古い個人蔵の表記とは区別したい。
作品情報
所蔵
オルセー美術館(カタール・ミュージアムズから長期貸与)
出典・画像について
画像:ギュスターヴ・クールベ《絶望する男》/Gustave Courbet / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。
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