白い雪の上で獲物へ身をかがめる狐。風景の中にある動物の身体を、色と姿勢から近くに見る。
何が描かれているか
狐が雪の上に前脚を置き、鼻先を低くして小さな獲物へ向かう。赤褐色の背中から大きな尾が左へ伸び、白い雪の面と強く対比する。背後には暗い木々や岩があり、地面には草や土の色も残る。人間の狩人は描かれず、狐の姿と周囲の冬の景色が画面を占める。身体をかがめる動作が、風景の中にひとつの出来事をつくる。
作品の見どころ
尾の柔らかな広がりと、頭や前脚の細い形を比べたい。明るい雪が、毛の色や動物の輪郭を浮かび上がらせる。画面の上には暗い森があり、下には白い地面が広がるため、狐はその境目でよく見える。遠い山並みを眺める風景とは異なり、地面に近い位置から動物を見せる。毛並みと雪の表面の描き分けにも注目できる。
制作背景
1860年作で、現在はダラス美術館に所蔵される。クールベの題材は人間の労働や裸婦だけではなく、動物や森にも広がっていた。この作品では、自然の中で生きる動物を大きな主役として扱う。狐を画家自身の象徴と決め付けるより、姿勢、獲物、雪の組み合わせを確かめると、身近な自然の観察に取り組む別の一面が見えてくる。
出典・画像について
画像:ギュスターヴ・クールベ《雪の中の狐》/Gustave Courbet / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。
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