1855年
35〜36歳頃

黒い井戸の小川(ルー川の谷)

画家 ギュスターヴ・クールベ →
The Stream (Le Ruisseau du Puits-Noir; vallée de la Loue) / ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
岩や木々に囲まれた小川を低い視点から描く。故郷の谷を、絵具の重なりと暗い緑で見せる。

何が描かれているか

岩壁と木々の間を、小川が手前へ流れてくる。水の上には小さな岩があり、岸には草や低い枝が伸びる。空は葉の向こうにわずかに見えるだけで、画面の大部分を暗い緑と茶色が占める。左の岩壁から奥の木々、手前の水へと、違う表面が重なっている。広い眺望ではなく、谷の底へ入り込んだような近い景色である。

作品の見どころ

暗い画面のどこに光があるかを探したい。葉の間の明るさや、水面の反射が、奥と手前をつなぐ。岩の角張った面と、柔らかく重なる葉、細く流れる水は、同じ描き方ではない。細部をひとつずつ見ながら、絵具の跡が自然の表面にどう変わるかを比べられる。小川を横切るように置かれた岩も、流れの方向を確かめる手がかりになる。

制作背景

1855年作で、同年のパリ万国博覧会に出品された。主題は故郷オルナン近く、ルー川の谷にあるピュイ=ノワールの景色である。クールベはこの場所を繰り返し描いたが、ここではワシントン所蔵の1855年作を扱う。大きな人物画と同じ時期に、身近な岩や水へ向き合っていたことを示す、風景画の重要な例である。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
目録番号
1943.15.2

出典・画像について

画像:ギュスターヴ・クールベ《黒い井戸の小川(ルー川の谷)》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
公式提供画像のCC0条件に基づく。
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