アンナ・クスピニアンの肖像
画家 ルーカス・クラーナハ(父) →Portrait of Anna Cuspinian / オスカー・ラインハルト・コレクション「アム・レーマーホルツ」
両手と顔の静けさに対し、木や岩の形がどう動くかを見る。
何が描かれているか
明るい顔の女性が、装飾のある帽子と衣を身につけ、両手を身体の前で合わせている。描かれたのはヨハネス・クスピニアンの妻アンナ。後ろには水辺と岩、枝を広げる木がある。
女性の身体は画面の中央で落ち着いているが、背後の枝や地形は複雑に曲がる。人物の輪郭を追ったあとで背景を見ると、静かな姿と自然の変化が対照的に感じられる。
作品の見どころ
衣の赤と暗い袖、帽子の明るい部分が、顔や手の白さを際立たせる。細かな飾りも描かれるが、全体では顔から手へと目が移るように、色と明暗がまとめられている。
夫の肖像と見比べると、本を持つ男性と手を合わせる女性、それぞれの姿勢の違いが分かる。二人を同じ形へ揃えず、対にしたときの向きや重なりで関係をつくっている。
制作背景
二枚は夫婦を描く二連の肖像として制作された。クラーナハ・デジタル・アーカイヴは、アンナの絵を夫の肖像に対応する作品とし、支持体をトウヒ材の板と記録している。
制作年は1502年、または1502〜1503年とされる。アム・レーマーホルツ所蔵の初期作品で、後年の神話画や宗教改革の図像だけでは捉えきれない、肖像画家としてのクラーナハを示す。
作品情報
所蔵
オスカー・ラインハルト・コレクション「アム・レーマーホルツ」
位置づけ
夫の肖像と比較し、対作品の構成と初期肖像を読む。
出典・画像について
画像:Lucas Cranach the Elder《アンナ・クスピニアンの肖像》/アンナ・クスピニアンの肖像 — Lucas Cranach the Elder / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の忠実複製。 複製の扱いは国・地域で異なります。
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