1530年頃
58歳頃

ホロフェルネスの首を持つユディト

画家 ルーカス・クラーナハ(父)
Judith with the Head of Holofernes / メトロポリタン美術館
剣と生首という激しい物語を、豪華な服の女性の静かな半身像へ変える。表情の落ち着きと出来事の残酷さがぶつかる。

何が描かれているか

旧約聖書の女性ユディトが豪華な衣装と帽子を身につけ、片手に剣を持つ。画面下の石の縁には、彼女が倒した敵将ホロフェルネスの首が置かれている。
ユディトは正面近くを向き、表情を大きく崩さない。宝石、鎖、刺繍、羽飾りが顔と手の周囲を埋め、出来事の舞台を古代ではなく同時代の宮廷へ近づける。

作品の見どころ

剣と生首という激しい物語を、豪華な服の女性の静かな半身像へ変える。表情の落ち着きと出来事の残酷さがぶつかり、見る人はどちらを先に受け取るか試される。
衣装の曲線と金の鎖は細かく動く一方、剣の直線と石の水平線が画面を固める。装飾だけを見るのではなく、首、剣、手が作る三角形へ戻ると物語の中心が見える。

制作背景

メトロポリタン美術館は1530年頃、菩提樹板の油彩ゆさいとして所蔵する。クラーナハと工房はこの主題を複数回制作し、宮廷風に装ったユディト像を展開した。
ユディトは敵将を倒して町を救った人物として、勇気や徳の例に用いられた。ただし作品の意味を単純な道徳に限定せず、当時の衣装、肖像形式、物語の衝突も見る必要がある。

作品情報

材質・技法
油彩、菩提樹板
所蔵
メトロポリタン美術館
位置づけ
敵将を倒した聖書の女性を、宮廷風の服装で落ち着いて立つ半身像にした。同じ主題の複数版が工房で制作された。

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録2026-09-22 確認)
画像:Lucas Cranach the Elderホロフェルネスの首を持つユディト》/ホロフェルネスの首を持つユディト — Lucas Cranach the Elder / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-22 確認)
CC0として公開されている画像です。
間違いを見つけたら、教えてください →