何が描かれているか
画面のほぼ中央に木が立つ。左では人が罪と死に直面し、右では十字架と復活したキリストが示される。人物は左右の出来事を見渡せる位置に置かれる。
旧約聖書と新約聖書に由来する場面が一枚へ集まる。別々の時代の出来事を同じ風景に並べ、見る人が両側の違いを追えるようにしている。
作品の見どころ
左の裸木と右の葉をもつ枝、暗い墓と明るい空を見比べたい。細部を知らなくても、画面の分割が対比を伝える入口になる。
ただし左を「悪い時代」、右を「よい時代」と切り捨てるだけではない。プラハの作品解説は、左の律法が人をキリストへ向ける役割にも触れる。
制作背景
クラーナハ研究機関は本作を父ルーカス・クラーナハの作品とし、署名の1529年を記録する。一方、研究文献には1525年説もあり、年代を断定しきらない。
この主題には複数の版がある。ここで紹介するのはプラハ国立美術館の板絵で、別の所蔵館の似た構図や後世の模写とは区別して扱う。 署名の年と研究文献の異説を併記し、この板絵を別の版や後世の模写から区別する。
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この画家について本で読む
ドイツ・ルネサンスの挑戦 デューラーとクラーナハ
田辺 幹之助 監修・著/新藤 淳・岩谷 秋美 著 / 東京美術
デューラーとクラーナハを軸に、宗教改革や宮廷文化と結びついたドイツ・ルネサンスの表現をたどる一冊です。
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