1537年以後
65歳以後

泉のニンフ

画家 ルーカス・クラーナハ(父)
The Nymph of the Spring / ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
古代のニンフを深い森の泉へ置き、弓矢、鳥、鹿、銘文を周囲に散らす。神話を北方の風景として読み替えている。

何が描かれているか

裸身の泉のニンフが森の地面に横たわり、片腕で頭を支える。そばに弓、矢筒、赤い布が置かれ、木々の間には鹿、手前には鳥が見える。
画面左上のラテン語は、泉を守るニンフが眠っているので休ませてほしい、と見る者へ呼びかける。水は岩の下から流れ、身体の前を細く横切る。

作品の見どころ

古代のニンフを深い森の泉へ置き、弓矢、鳥、鹿、銘文を周囲に散らす。神話を北方の風景として読み替え、見ることそのものを場面へ組み込んでいる。
ニンフは身体を見せながら、銘文では眠りを妨げないよう求める。この矛盾が、鑑賞者の視線を意識させる。細長い身体と横長の風景も同じ方向へ伸びる。

制作背景

ナショナル・ギャラリー(ワシントン)は1537年以後、板に油彩ゆさいとして所蔵する。作品の画像は同館のオープンアクセスで公開されている。
泉のニンフと警告文は古代文学に由来するが、森、鹿、鳥はクラーナハの身近な北方風景を思わせる。古代の主題をそのまま再現せず、同時代の宮廷が楽しむ絵へ作り替えた。

作品情報

材質・技法
油彩、板
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
位置づけ
古代の泉のニンフをドイツの森に置き、眠りを妨げないよう警告するラテン語の銘を添える。神話と風景を重ねた。

出典・画像について

画像:Lucas Cranach the Elder泉のニンフ》/泉のニンフ — Lucas Cranach the Elder / National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-22 確認)
CC0として公開されている画像です。
間違いを見つけたら、教えてください →