何が描かれているか
聖母マリアが草地に座って幼子キリストを抱き、ヨセフが隣で休む。小さな天使たちは花を集め、音楽を奏で、果物を差し出して三人を囲んでいる。
手前には草花と石が細かく描かれ、曲がる道、木々、岩山、遠い城へ風景が続く。宗教物語の人物は大きく孤立せず、自然の中の一つの集まりとして置かれる。
作品の見どころ
宗教物語の三人を風景の一部として置き、花、石、木、遠い山まで同じ注意で描く。若いクラーナハの自然への関心が見え、近景から遠景へ視線がゆっくり移る。
聖母の赤、天使の白、草木の緑が中央を明るくする一方、周囲の木が額縁のように場面を包む。細部の多さに迷ったら、幼子へ集まる手と顔から見るとよい。
制作背景
ベルリン絵画館は1504年作、菩提樹板として所蔵する。下端にクラーナハの組み合わせ文字と年記があり、美術館は署名と日付を備えた最初の作品と説明する。
この作品はクラーナハがヴィッテンベルクへ移る前、ウィーンで活動した時期の基準作である。デューラーの版画から受けた影響も指摘されるが、草花と地形を広く使う構成には独自の関心が表れている。