1506年
34歳頃

鹿狩り(木版画はんが)

画家 ルーカス・クラーナハ(父) →
The Stag-Hunt / メトロポリタン美術館
犬と鹿の動きをたどり、風景の中の狩りの順序を読む。

何が描かれているか

広い風景の中に、鹿を追う犬、馬に乗る人、狩りに加わる人々が描かれる。奥には建物や木々があり、手前では鹿を取り囲む場面へと動きが集まる。狩猟の一瞬だけでなく、複数の出来事が入っている。
左上から時計回りに犬の動きをたどると、鹿を追う流れが左下の場面へつながる。画面を順に見ることで、広い場所で進む狩りを、一つの物語として読むことができる。

作品の見どころ

木や草、動物の身体は、細かな線の集まりで区別されている。白い紙を残す部分と黒い線を重ねる部分の差が、色を使わなくても地形や奥行きを感じさせる。
これは木の版を彫り、インクをつけて紙へ刷る木版画だ。所蔵館によれば二つの版木で構成される。絵画のように筆で一枚だけ描く仕事との違いも見どころになる。

制作背景

1506年はクラーナハがザクセンの宮廷で働いていた時期。所蔵館は、画家が注文主フリードリヒ賢明公の狩猟に素描そびょう帳を持って同行したことを、この作品の背景として説明する。
掲載はメトロポリタン美術館の所蔵刷り。黒い線が多数の人と動物を結ぶ様子を追うと、宗教画や肖像だけでなく、宮廷の活動を広い風景へ組み立てた版画家としての仕事が見える。
資料の留保
刷りの状態は所蔵館の「第2状態」を採用。遠景の館はロッハウ城と推定されるが確定していないため、本文では名称を断定しない。寸法表示に他資料と差があるため未採用。

作品情報

材質・技法
木版画(2状態のうち第2状態)
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
22.67.45
位置づけ
宮廷の狩猟と、木版画で広い風景を語る仕事を見る。

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館/鹿狩り(2026-10-09 確認)
画像:Lucas Cranach the Elder《鹿狩り(木版画)》/鹿狩り(木版画) — Lucas Cranach the Elder / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-09 確認)
Metの全紙画像、CC0。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

ドイツ・ルネサンスの挑戦 デューラーとクラーナハ
田辺 幹之助 監修・著/新藤 淳・岩谷 秋美 著 / 東京美術
デューラーとクラーナハを軸に、宗教改革や宮廷文化と結びついたドイツ・ルネサンスの表現をたどる一冊です。
楽天ブックスで見る →