1837年
29歳頃

弁護士ロベール・マケール

画家 オノレ・ドーミエ →
Robert-Macaire, lawyer / クリーブランド美術館
法廷で黒い服の男が腕を高く上げ、席に着いた裁判官へ向けて話す。

何が描かれているか

法廷で黒い服の男が腕を高く上げ、席に着いた裁判官へ向けて話す。周囲には傍聴する人や仕事を待つ人が集まる。題名のロベール・マケールは、ドーミエが繰り返し描いた架空の詐欺師で、この一枚では弁護士に扮している。法の専門家らしい身なりと大げさな弁論を重ね、弁護士という役柄そのものを笑いの対象にした。

作品の見どころ

手を上げた人物から、表情を変えずに座る裁判官たちへ視線を移すと、法廷の力関係が見えてくる。手彩色は服や席に色を加えるが、話を動かすのは誇張された腕と顔の向きだ。画面下の観客もこの芝居の目撃者になっている。細かな台詞を読み取れなくても、声の大きさが聞こえそうな姿勢から、もっともらしさへの皮肉が伝わる。

制作背景

クリーブランド美術館によると、1837年4月23日の新聞『ル・シャリヴァリ』に、連作れんさく「カリカチュラーナ」の第44図として掲載された。政治家個人を攻撃した初期作とは違い、都市の職業や商売が風刺の題材になる。架空の主人公を何度も登場させることで、読者は性格を知ったうえで新しい役柄を楽しめた。法廷の場面も、同時代の社会を映す一つの芝居である。

作品情報

材質・技法
手彩色リトグラフ
所蔵
クリーブランド美術館

出典・画像について

出典:クリーブランド美術館 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Honoré Daumier《弁護士ロベール・マケール》/Cleveland Museum of Art / Open Access
画像の出典 / CC0 / Open Access(画像情報:2026-09-26 確認)
公開機関のOpen Access / CC0表示に基づく。
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この画家について本で読む

オノレ・ドーミエ(パルコ美術新書)
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