何が描かれているか
左の父が三本の剣を掲げ、三兄弟が腕を伸ばして誓う。右には、戦いで家族を失うことになる女性と子どもたちが身体を寄せる。
古代ローマの物語をもとに、都市のために戦う兄弟と、敵味方の両方に家族を持つ女性たちを対置する。歴史上の瞬間を正確に再現した絵ではない。三兄弟の足元は一列にそろい、座り込む女性たちの低い姿勢とはっきり分かれている。
作品の見どころ
左の直線的な腕と剣、右の曲がった背中と垂れる布を比べよう。決意と悲しみを、表情だけでなく形の違いで示している。
三つのアーチが人物を父、兄弟、女性に分ける。奥行きはあるが、重要な動作が舞台の前列に並ぶため、物語を読み取りやすい。剣が集まる一点から腕、脚、床の線へ目を広げると、誓いの場面が幾何学的に整理されている。
制作背景
フランス王室の注文を受け、ローマで制作され、1785年のサロンで展示された。ルーヴル美術館の現行目録は1785年作とする。
古代を手本に明快な線と節度を重んじる新古典主義の代表作。後の革命を直接予言した絵と決めつけず、制作時の王室注文という事情も押さえる。新古典主義という言葉は、古代風の主題だけでなく、輪郭と構図の明快さを見る手掛かりになる。