何が描かれているか
ジュリエット・レカミエが白い服で古代風の長椅子に座り、上半身をこちらへ向ける。左には背の高い燭台、右には足台がある。
背景は広く塗り残され、衣装や家具にも未完成の部分がある。完成作の滑らかさではなく、構図を置いた途中の状態が見える。長椅子は画面の端から端へ伸び、人物の身体もその横長の流れに沿って置かれている。
作品の見どころ
横長の長椅子と、縦長の燭台が広い空間を支える。人物を中央に大きく置かず、余白が静けさと距離を生む。
白い服は輪郭が簡潔で、古代風の家具とつながる。豪華な装飾を足すより、姿勢と線だけでモデルを印象付けている。塗りの薄い背景と仕上げられた顔や衣を比べると、どこまで制作が進んだかを画面から考えられる。
制作背景
1800年に着手されたが未完成に終わった。モデルと画家の意見の違いや制作の遅れが伝えられるが、完成していない理由を一つに決めない。
現在はルーヴル美術館所蔵。未完成であることを欠点として隠さず、制作過程が残る作品として紹介する。未完成の理由には伝承が混じるため、一つの逸話を確定した制作事情として扱わない。