入浴後、体を拭く女
画家 エドガー・ドガ →After the Bath, Woman drying herself / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
ねじれる背中と上げた腕を、色の線で捉える。
何が描かれているか
女性がこちらに背を向け、腕を上げてタオルで体を拭いている。背中は斜めにねじれ、頭の向きと肩、腕がそれぞれ違う方向を示す。そばの椅子や布も同じ室内に収まり、体の輪郭を引き立てる。整った姿勢で鑑賞者へ顔を向ける裸婦ではなく、入浴の後にする身近な動作を主題としたパステル画である。
作品の見どころ
まず腕から背中へ続く線をたどり、次に肌の色を近くで見たい。黄色や赤み、青みが重なり、輪郭の内側にも細い線の動きが残る。広い背中は単色で塗りつぶされず、影と光の変化によって形を持つ。顔を見せないことで、目線や表情の説明よりも、肩を回し腕を伸ばす体の働きが前へ出てくる。紙の上に重ねたパステルの厚みも見どころである。
制作背景
1890〜1895年頃の作品。ドガはアトリエでモデルにポーズを取ってもらい、この姿のために複数の素描を作った。私生活の一瞬を偶然見つけ、その場で即座に写したと考えるのは正確ではない。無防備に見える姿も、観察と準備を重ねた構成である。《浴盤》と比べると、入浴の前後の動作が異なる角度から研究されていることが分かる。
出典・画像について
画像:エドガー・ドガ《入浴後、体を拭く女》/Edgar Degas / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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