緑と橙の中に重なる、晩年の踊り子を見る。
何が描かれているか
左側に四つの踊り子の姿が重なり、その背後へ緑の広い面と橙色が続く。人物は衣装を直すように腕を上げ、同じ方向へ少しずつ体を傾けている。顔の表情や周囲の細かな道具よりも、輪郭と色が大きく目を引く。背景を実際の庭とも、舞台の書き割りとも決め切れないため、場所の説明には留保が必要である。
作品の見どころ
手前から奥へ並ぶ肩と腕を追うと、姿勢が少しずつ移っていくように見える。一人の踊り子の続く動きを組み合わせた可能性もあるが、確定した説明ではない。緑と橙の強い対比に対して、人物の体には暗い線が入り、姿を背景から浮かせる。舞台の出来事を読み解くより、重なる輪郭と色が生むリズムから見始めると分かりやすい。
制作背景
1899年頃、60代のドガが制作した油彩画。同時期のパステル作品《青い踊り子たち》と並べると、近い身振りでも表面の線や色の置き方が違う。《踊り子のフリーズ》の横一列の構図に比べ、ここでは体が奥へ重なり、背景の色が広く残る。繰り返す姿を一つの配置に固定せず、形と色の組み合わせを変えて研究した晩年の絵として見たい。
出典・画像について
画像:エドガー・ドガ《四人の踊り子》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
所蔵館が公開した個別CC0画像。全景を保ちWebPへ縮小。
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