何が描かれているか
白い衣装の踊り子の姿が、横に長い画面へ四つ並ぶ。腰を折り、足元へ手を伸ばす姿は少しずつ向きが違う。題名の「フリーズ」は、帯のように横へ続く装飾を指す言葉。絵の幅は約2メートルあり、舞台全体を奥まで描くよりも、近くの身振りが横へ連なることを強く感じさせる油彩画である。
作品の見どころ
体の傾き、腕、スカートの輪郭を一人ずつ追うと、似た形が少しずつ変わっている。同じ人物を異なる方向から描いた可能性もあるが、四人の別々の人物かどうかは確定しない。背景は素早い筆の動きで作られ、絵の具の垂れや、指でなぞった円形の跡も残る。衣装の柔らかさと、描いた手の動きの両方を見られる点が面白い。
制作背景
1895年頃の晩年作。ドガは同じ姿勢を繰り返し扱い、角度や画材、組み合わせを変えながら研究した。この絵も一回の稽古の記録と決めるより、体の形を並べて比べる構成として見ることができる。初期の《スパルタの若者たち》では集団を物語の中に置いたが、ここでは繰り返す姿そのものが大きな主題になる。年代を離して見比べたい。