1879〜1886年頃
45〜52歳頃

帽子店

画家 エドガー・ドガ
The Millinery Shop / シカゴ美術館
帽子を選ぶ客か、仕上げる店員かは断定されていない。商品と働く手を近くに置き、19世紀パリの消費と労働を同時に見せる。

何が描かれているか

女性が赤い飾りの帽子を手にし、手前の台には色や形の異なる帽子が並ぶ。人物の顔は帽子に隠れ、手の動きが中心になる。
女性が店員か客かは確定していない。帽子を作る作業と選ぶ行為のどちらにも見える。手前の帽子は画面の縁で切れ、店の棚をのぞき込むような近さを作る一方、人物の顔は遠ざけられる。

作品の見どころ

帽子が手前へ大きくせり出し、人物はその後ろに置かれる。商品と人の大きさの関係が、普通の肖像画とは逆になっている。
赤、黄、青、白の帽子が円形を繰り返す。描き直しを含む複雑な制作過程も表面に残る。赤い羽飾りへ伸びる手を中心に見ると、帽子を選ぶ場面にも、仕上げる作業にも解釈できる曖昧さが残る。

制作背景

1879年頃に始まり、1886年頃まで手が加えられた。帽子店は19世紀パリで女性の労働と消費が交わる場所だった。
現在はシカゴ美術館所蔵。華やかな商品だけでなく、働く手や顔の隠れ方を見ると、都市生活の別の面が見える。制作年に幅があるのは長く手を加えたためで、特定の一日を写した場面として年代を狭めない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
シカゴ美術館
目録番号
1933.428

出典・画像について

出典:シカゴ美術館 作品記録2026-09-11 確認)
画像:Edgar Degas帽子店》/帽子店 — Edgar Degas / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-11 確認)
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