1886年
51〜52歳頃

浴盤

画家 エドガー・ドガ →
Le Tub / オルセー美術館
体、浴盤、台が、それぞれ違う角度で見える。

何が描かれているか

丸い浴盤に女性がしゃがみ、体を洗っている。背中を曲げた姿を上からのぞくような構図こうずで、頭や肩、腕の動きがよく見える。右には水差しなどを置いた台があり、浴盤の曲線と台の直線が並ぶ。浴室の床や道具も含めた一枚のパステル画で、女性の姿だけが背景から切り離されているわけではない。

作品の見どころ

女性の背中をたどる曲線から浴盤の縁へ目を移すと、似た丸い形が響き合う。一方、右の台は上から見たように平たく広がり、水差しは横から見る形に近い。すべてを一つの視点で整えず、複数の見え方を組み合わせることで、体と道具の配置が強く印象に残る。パステルの細かな線や重なる色にも注目すると、肌と床の質感の違いが分かる。

制作背景

1886年の作品で、同年の第8回印象派展に出品された。ドガが繰り返し扱った入浴や身支度の主題の一つである。題名の「浴盤」は、湯や水を入れる浅い器を指す。同名の立体作品もあるが、ここで紹介するのは厚紙にパステルで描いたRF 4046の作品。美化した正面の裸婦とは異なる、日常の身振りを見る入口になる。

作品情報

材質・技法
パステル、厚紙
所蔵
オルセー美術館
目録番号
RF 4046

出典・画像について

画像:エドガー・ドガ《浴盤》/Edgar Degas / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。 米国での原作品の公表・保護条件は独立には確定していません。
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