モロッコの男性の衣服研究七点
画家 ウジェーヌ・ドラクロワ →Seven Studies of Moroccan Men’s Costume / メトロポリタン美術館
旅先で集めた衣服の形と色。一枚の紙に残る線と水彩を見比べる。
何が描かれているか
赤い帽子と白い布を身につけた男性たちが、一枚の紙に別々の向きで描かれる。頭だけの研究、背中から見た上半身、長い服を着た姿がある。画面下の人物は横向きに置かれ、紙をさまざまな向きで使っていることも分かる。一つの場面に集まった七人の記念写真のような絵ではなく、衣服の形や色を記録する複数の小さな研究である。
作品の見どころ
黒鉛の線だけで残された布と、赤や肌色を加えた部分を比べたい。細かい背景を描かず、帽子の形や服の輪郭へ注意を絞っているように見える。大きな油彩の《アルジェの女たち》や《結婚式》を見る前に、この紙を眺めると、画家がどう観察を蓄えたかを考えられる。ただし、この七点がその二作品に直接使われたとは、ここでは断定していない。
制作背景
同館は1832年、黒鉛の上に水彩、所蔵番号2013.1135.18と記録する。画家はこの年、北アフリカとスペインへの旅行中に七冊の素描帳を使ったという。この紙の七つの研究と、七冊という素描帳の数は別の話である。完成画だけでは見えにくい、旅先での観察の仕事をたどれる。
出典・画像について
画像:Eugène Delacroix《モロッコの男性の衣服研究七点》/The Metropolitan Museum of Art
作品の全景と原ファイルを保持。色補正・生成・作品内の切取りなし。所蔵館の個別PD画像はCC0のOpen Access配布。
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この画家について本で読む
新潮美術文庫 20 ドラクロワ
F・V・E・ドラクロワ/日本アート・センター / 新潮社
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