1852年
54歳頃

ディエップの高台から見た海

画家 ウジェーヌ・ドラクロワ →
La mer vue des hauteurs de Dieppe / ルーヴル美術館
大きな事件から離れ、海と空の光を見る。晩年の小さな海景。

何が描かれているか

低い雲の下に海が広がり、小さな帆船が点々と並ぶ。左手前には舟があり、波の光る筋が遠くの水平線へ続く。空と海には黄色や灰色が重なり、遠くの青い部分がその明るさを受け止める。人物が活躍する歴史画と違い、ここでは景色そのものが中心になる。舟の大きさが手前と遠くで変わるため、単純な水平線だけでも海の広さを感じられる。

作品の見どころ

まず空の雲の縁を、次に波の短い筆の跡を見たい。海を一面の青で塗らず、光を受けるところと暗いところを分けている。帆船はわずかな形で描かれるが、広い色面の中でよく見える。左手前の暗い舟も、海の輝きを引き立てる。細部を追ってから画面全体へ目を戻すと、空と水面の明るさがどうつながるかを確かめられる。

制作背景

ルーヴル所蔵RF 1979 46、木板に貼った厚紙の油彩ゆさいである。館の作品紹介は1852年とする。旅先で実際に観察した海とのつながりはあるが、その場で完成したか、記憶をもとに描いたかは確定していない。メトロポリタン美術館の同名の水彩とも別作品である。晩年の自然を見る仕事として、大作と合わせて眺めたい。

作品情報

材質・技法
木板に貼った厚紙に油彩
所蔵
ルーヴル美術館
目録番号
RF 1979 46

出典・画像について

画像:Eugène Delacroix《ディエップの高台から見た海》/Web Gallery of Art / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-10-04 確認)
作品の全景と原ファイルを保持。色補正・生成・作品内の切取りなし。Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実複製。国や地域で扱いが異なります。
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