国を女性の姿で表した一枚。廃墟の静けさを《自由の女神》と比べる。
何が描かれているか
青い上着と白い衣の女性が、崩れた石の上で両手を開く。足元には倒れた人の腕がのぞき、後ろには旗を持つ人物が立つ。この女性は特定の住民の肖像ではなく、ギリシャという国を人の姿で示したもの。こうして考えや国を人物として描くことを「寓意」と呼ぶ。ボルドー美術館は、ギリシャ独立戦争とミソロンギの陥落に結びつく作品と説明している。
作品の見どころ
中心の白い衣が、暗い空と石の間で大きな明るさを作る。左右へ開く腕は画面を広げるが、足元の石や低い姿勢には重さも感じられる。背景の旗を持つ人と、手前の女性の大きさも比べたい。《民衆を導く自由の女神》の前進する姿に対し、ここではその場にとどまる人物が中心になる。動きの違いから、同じ寓意でも絵が伝える印象が変わると分かる。
制作背景
1826年の油彩画で、所蔵番号はBx E 439。美術館は、1830年の《自由の女神》につながる構成として紹介する。戦争の出来事を扱うが、画家が現場で見た光景をそのまま記録した写真のような絵ではない。現在の所蔵先を示しており、その館で常に展示中とするものでもない。
出典・画像について
画像:Eugène Delacroix《ミソロンギの廃墟に立つギリシャ》/The Yorck Project / Wikimedia Commons
作品の全景と原ファイルを保持。色補正・生成・作品内の切取りなし。Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実複製。国や地域で扱いが異なります。
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