自画像(緑のベスト)
画家 ウジェーヌ・ドラクロワ →Portrait de l’artiste, dit Autoportrait au gilet vert / ルーヴル美術館
緑のベストと茶色の背景。歴史画を描いた画家自身の姿を見てみる。
何が描かれているか
黒い上着の男性が、体を横に向けながら顔をこちらへ振り返る。ドラクロワが自分を描いた肖像で、「緑のベスト」とも呼ばれる。首には暗い布が巻かれ、その下から白い衣と緑色がのぞく。背景はほぼ茶色で、大きな歴史画に登場する建物や大勢の人物はない。道具を持つ制作中の姿とも違い、服を整えた上半身と顔に注意が集まる。
作品の見どころ
顔の明るさに対して、上着は深く暗い。頬、目の周り、口ひげの明暗をたどると、茶色を中心とした画面でも細かな違いが分かる。背景の筆の跡や、緑のベストの端も近くで見たい。体と顔の向きがずれることで、静かな肖像の中に振り向く動きが生まれているように見える。表情から自信や不安を読み取ることはできても、本人の性格やその瞬間の心理を確定はできない。
制作背景
ルーヴル美術館の所蔵番号はRF 25。現行目録は広い年代区分で示し、メトロポリタン美術館の回顧展紹介は1837年頃とするため、年は「頃」を付けている。黒い服の中の緑や顔の光に注目すると、色の激しい大作だけでなく、抑えた色で人物を描く仕事も理解できる。
出典・画像について
画像:Eugène Delacroix《自画像(緑のベスト)》/GalleriX(原撮影者未記載) / Wikimedia Commons
作品の全景と原ファイルを保持。色補正・生成・作品内の切取りなし。Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実複製。国や地域で扱いが異なります。
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この画家について本で読む
新潮美術文庫 20 ドラクロワ
F・V・E・ドラクロワ/日本アート・センター / 新潮社
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