坂道のキリストから城門の群衆へ、衣を広げる人や木に登る人をたどる。
何が描かれているか
キリストがロバに乗り、弟子たちを従えてエルサレムへ入る場面である。右の城門に集まった人々が迎え、道には衣が広げられる。木の上には枝を切る人がおり、歓迎の動作が上下へ広がる。
『マタイによる福音書』にある、群衆が衣や枝を道に敷いた物語に基づく。左下のキリストは右手を上げる。頭のまわりの金の輪が、密集する人々の中で目印になる。
作品の見どころ
手前の壁と坂道は斜めに走り、キリストから城門へ視線を導く。大きな人物の上に、門、塔、白い多角形の建物が重なり、縦長の小画面に街の奥行きが組み立てられている。
キリストの後ろで同じ方向を向く弟子たちと、門の前でこちらを向く群衆を比べてみたい。間に衣を広げる人がいる。行列と出迎えが接する地点を身振りから読める。
制作背景
1308〜1311年に制作された《マエスタ》の裏面に属し、現在はシエナ大聖堂美術館に残る。裏面全体の左下に置かれた縦長の場面で、後に続く捕縛や裁判の物語への入口となる。
イタリアの文化財目録は、このエルサレムの建物が13世紀のシエナを思わせると説明する。街の正確な地図と考えるより、城門や坂道が物語の場所をどう伝えるかを見たい。
《マエスタ》の構成部分
大聖堂の両面祭壇画に属する一場面です。元の位置と、現在の所蔵先を区別して紹介します。
出典・画像について
画像:Duccio di Buoninsegna《エルサレム入城(《マエスタ》裏面)》/エルサレム入城(《マエスタ》裏面) — Duccio di Buoninsegna / Web Gallery of Art / Wikimedia Commons
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
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この画家について本で読む
イタリア・ルネサンス美術館
松浦 弘明 著 / 東京堂出版
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