1310〜1311年頃
55〜56歳頃

ラザロの蘇生(《マエスタ》裏面下部)

画家 ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ →
The Raising of Lazarus / キンベル美術館(フォートワース)
キリストの手から白い布のラザロへ、間に立つ人々の反応をたどる。

何が描かれているか

キリストが右手を伸ばす先に、白い布で全身を包まれたラザロが墓の入口に立つ。二人の間には人々が集まり、手前の赤い衣の女性はひざまずく。高い岩山が群衆の背後を囲んでいる。
『ヨハネによる福音書』にある、死んだラザロをキリストが呼び出す物語である。館の解説では、到着時にラザロは死後四日が過ぎていた。墓から姿を現す瞬間が描かれる。

作品の見どころ

ラザロの白い布と墓の暗がりを比べると、細長い身体がはっきり見える。左から伸びるキリストの手が、この明るい姿へ目を導く。顔や上げた手から、周囲の反応も読める。
岩山の斜線と女性の赤い衣が、二人の間の空間を囲む。群衆の頭が横に並ぶ一方、墓とラザロは縦に立つ。横へ呼びかける動作と、立ち上がる姿を見比べたい。

制作背景

館の公開解説は1310〜1311年とし、《マエスタ》裏面下部の最後の場面だった可能性が高いと説明する。キリストの公生涯の奇跡を描く小画面で、後のキリスト自身の復活を先取りする主題とされる。
現在はフォートワースのキンベル美術館にある。2025年の展覧会資料には、絵は元のポプラ板からコルクへ移されたと記録される。歴史的な板絵の技法と、現在の支持体を区別したい。
《マエスタ》の構成部分
大聖堂の両面祭壇画さいだんがに属する一場面です。元の位置と、現在の所蔵先を区別して紹介します。

作品情報

材質・技法
テンペラ・金。元はポプラ板、後にコルクへ移された
寸法
43.5 × 46.4 cm
所蔵
キンベル美術館(フォートワース)
目録番号
APx 1975.01
位置づけ
《マエスタ》裏面下部。公生涯の最後の場面だったと考えられる
構成
《マエスタ》の構成部分
年代の幅
館の公開解説は1310〜1311年。2025年の展覧会目録は1308〜1311年頃。

出典・画像について

画像:Duccio di Buoninsegna《ラザロの蘇生(《マエスタ》裏面下部)》/ラザロの蘇生(《マエスタ》裏面下部) — Duccio di Buoninsegna / Kimbell Art Museum / Google Art Project / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-07 確認)
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