大きな十字架の周囲に並ぶ場面を比べ、物語をつなぐ人物と建物をたどる。
何が描かれているか
キリストが捕らえられ、裁かれ、十字架にかけられる物語を、小さな区画に分けた画面である。上段中央には大きな《磔刑》があり、左下の縦長の区画にはエルサレム入城が描かれる。
各区画に室内、街路、岩山があり、同じ人物が別の出来事に繰り返し登場する。区画を左から右へ一律に読むのではなく、場面の内容と人物を確かめたい。
作品の見どころ
柱や屋根に囲まれた裁判の場面と、木や岩のある屋外の場面を比べると、物語の場所の違いが分かる。人物は似た衣を着ていても、向きや手の形によって、その場のやり取りが変わる。
中央の十字架は、多くの小画面の中でも目に入りやすい。正面の聖母子を囲む整った人々と比べると、裏面では群衆が集まり、離れ、身振りを交わす動きが目立つ。
制作背景
《マエスタ》はシエナ大聖堂の主祭壇のため、1308〜1311年に描かれた両面祭壇画である。正面に聖母子と聖人、裏面中央にキリストの受難を中心とする26場面が置かれた。
祭壇画は1771年に表裏を切り離され、上下の小画面も分散した。この図版は現在残る裏面中央のまとまりで、当初の祭壇画全体ではない。個々の場面と、その元の位置を合わせて見たい。
《マエスタ》の構成部分
裏面中央の26場面をまとめた図版です。上下の小画面や当初の全体枠を含む、元の祭壇画全体ではありません。
作品情報
位置づけ
両面祭壇画の裏面中央。26場面をまとめて見るための項目
出典・画像について
画像:Duccio di Buoninsegna《マエスタ(裏面の受難物語)》/マエスタ(裏面の受難物語) — Duccio di Buoninsegna / The Yorck Project / DIRECTMEDIA / Wikimedia Commons
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
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この画家について本で読む
イタリア・ルネサンス美術館
松浦 弘明 著 / 東京堂出版
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