1310〜1311年
55〜56歳頃

キリストとサマリアの女(《マエスタ》裏面下部)

画家 ドゥッチョ・ディ・ブオニンセーニャ →
Christ and the Samaritan Woman / ティッセン=ボルネミッサ美術館(マドリード)
井戸を挟む二人の手と、門から出てくる弟子たちの重なりを見比べる。

何が描かれているか

左の井戸に腰かけたキリストが、頭に水差しを載せた女性と向き合う。女性は片手を上げ、もう一方に容器を持つ。右には街の門があり、四人の弟子が重なって姿を現す。
『ヨハネによる福音書』の、サマリアの町シカルにあるヤコブの井戸での対話である。館の解説では、弟子たちは食べ物を調達して戻るところとされる。会話と帰ってくる集団が同居する。

作品の見どころ

キリストと女性の上げた手を結ぶと、言葉を描かずに対話を示していることが分かる。女性の頭の水差し、井戸の縁、足元の階段も、日常の動作と場所を具体的に伝える。
右の建物には門の暗がり、赤い屋根、明るい壁があり、人々の重なりとともに奥行きをつくる。建築図として見るより、井戸と街を結ぶ道が二つの集団をどうつなぐかを追いたい。

制作背景

所蔵館は制作年を1310〜1311年とする。シエナ大聖堂の《マエスタ》の裏面下部に属した小画面で、キリストの公生涯を扱う。聖母子せいぼしを描いた正面中央とは元の役割が異なる。
祭壇画さいだんがは1771年頃に解体され、この一枚も他の小画面と別れて伝わった。現在はマドリードのティッセン=ボルネミッサ美術館にある。金地を保ちながら、街と井戸の前後関係が読める。
《マエスタ》の構成部分
大聖堂の両面祭壇画に属する一場面です。元の位置と、現在の所蔵先を区別して紹介します。

作品情報

材質・技法
テンペラ・金、板
寸法
43.5 × 46 cm
所蔵
ティッセン=ボルネミッサ美術館(マドリード)
目録番号
133(1971.7)
位置づけ
《マエスタ》裏面下部の、井戸での対話を描く場面
構成
《マエスタ》の構成部分

出典・画像について

画像:Duccio di Buoninsegna《キリストとサマリアの女(《マエスタ》裏面下部)》/キリストとサマリアの女(《マエスタ》裏面下部) — Duccio di Buoninsegna / Museo Nacional Thyssen-Bornemisza / Google Art Project / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-07 確認)
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