人物より小さく描かれた都市と、悪魔を退けるキリストの手に注目する。
何が描かれているか
岩山に立つキリストが手を伸ばし、翼のある黒い悪魔を退ける。右には二人の天使が立ち、足元には城壁に囲まれた小さな都市が点在する。青と赤の衣が金色の背景の前に浮かぶ。
『マタイによる福音書』の誘惑の物語である。悪魔は自分を拝むなら世界の国々を与えると持ちかけるが、キリストは拒む。下に描かれた都市は、この申し出を目に見える形にする。
作品の見どころ
都市の塔、屋根、城壁は細かく描かれる。一方、キリストと悪魔は建物よりはるかに大きい。フリックはこの大きさの差を、自然な縮尺より価値の違いを示す表現と説明する。
キリストの水平に伸びる手と、悪魔の斜めに広がる腕や翼を比べてみたい。手の先で二人が向き合うため、遠くの都市を一つずつ眺めた後も、拒む動作へ目が戻ってくる。
制作背景
1308〜1311年頃の《マエスタ》の構成部分で、元は裏面下部の台座に並ぶ小画面に属した。そこではキリストが人々に教え、奇跡を行う公生涯を描いた。
現在はニューヨークのフリック・コレクションに所蔵される。館は、祭壇画内の配置の復元や助手の関与には未解決点があると説明する。小さな一枚の中の動作と、元の連作との関係を見たい。
《マエスタ》の構成部分
大聖堂の両面祭壇画に属する一場面です。元の位置と、現在の所蔵先を区別して紹介します。
作品情報
位置づけ
《マエスタ》裏面下部の、公生涯を描く小画面
出典・画像について
画像:Duccio di Buoninsegna《山上のキリストの誘惑(《マエスタ》裏面下部)》/山上のキリストの誘惑(《マエスタ》裏面下部) — Duccio di Buoninsegna / Web Gallery of Art / Wikimedia Commons
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