何が描かれているか
山上で白い衣のキリストが立ち、左右に預言者モーセとエリヤが現れる。下ではペトロ、ヤコブ、ヨハネの三弟子が身を伏せ、突然の光景へ異なる姿勢で反応する。
岩山は上下二段の舞台のように人物を分ける。金地の中でも、山の斜面と人物の重なりによって、天上に近い顕現と地上の弟子の距離が示される。
作品の見どころ
キリストの白い衣が中央で最も明るく、両脇の預言者と三角形をつくる。下の弟子は左右へ倒れ、上の安定した三人と対照をなす。
驚きを同じ身振りで繰り返さず、顔を覆う者、見上げる者、身を引く者に分ける。小さな画面の中で反応の差を読むことが、物語の強さにつながる。
制作背景
《マエスタ》裏面プレデッラの1308〜1311年の一場面で、《盲人の治癒》と隣り合っていた。現在はロンドンのナショナル・ギャラリーが両作品を所蔵する。
変容はキリストの神性が弟子に示される場面である。金地や光輪だけに頼らず、白い衣、上下の配置、弟子の身体の崩れによって、突然見え方が変わった経験を表している。