何が描かれているか
廃墟の前に聖母マリアが幼子キリストを抱き、最年長の王がひざまずいて贈り物を差し出す。後ろの二王は豪華な衣装を着て待ち、右端には旗を持つ従者が立つ。
手前には石、植物、虫が置かれ、人物の間から道と水辺、城のある山地が遠くへ続く。聖書の出来事が、観察できる物と広い風景をもつ世界の中で起きている。
作品の見どころ
宝石のような細部を追っても、人物の三角形と遠景への道によって全体へ戻れる。細密さと大きな構成が両立し、近くで見る楽しさと離れて見る安定がある。
王たちの服、金属の器、石、髪は異なる筆づかいで表される。一方、聖母の赤と青、ひざまずく王の身体が中央を固め、細部がばらばらになるのを防いでいる。
制作背景
ウフィツィ美術館は1504年作、板に油彩として所蔵する。画面には制作年とデューラーの組み合わせ文字があり、北方の観察とイタリア美術への関心が交わる時期の作品である。
王の一人には画家自身の面影を見る解釈もあるが、人物同定は断定しない。確かに見えるのは、異なる年齢と出自を示す三王を、衣装、姿勢、贈り物で区別していることである。