何が描かれているか
左の板には開いた福音書を読む聖ヨハネと、その後ろの聖ペトロが立つ。右の板では聖マルコがこちらへ鋭い目を向け、聖パウロが閉じた本と剣を持つ。
四人の全身を見せず、ほぼ等身大の上半身で画面を満たす。足元のドイツ語文は新約聖書から取り、偽預言者への警告を市の人々へ伝える。
作品の見どころ
四人を同じ姿にそろえず、顔、衣、書物、立ち方を違えている。二枚の間を視線が往復すると、読むヨハネ、控えるペトロ、警戒するマルコ、前を見据えるパウロの対照が読める。
白、赤、青の大きな衣が人物をまとめ、頭と手だけを細かく見せる。左から右へ色と視線が移るため、二枚が離れていても一つの議論を交わすようにつながる。
制作背景
デューラーは1526年、この二枚をニュルンベルク市参事会へ贈った。アルテ・ピナコテークは、画面下の聖書文が改革期の宗教的、政治的状況と関係することを説明している。
四人を四気質に対応させる解釈も伝わるが、作品の意味を一つに限定しない方がよい。まず人物の表情、書物、剣、引用文が、市民へどのような警告を作るかを見る。