細い草も、広い葉も、土の下の根も。身近なひとかたまりの植物が、紙の上で大きな主役になります。
何が描かれているか
一かたまりの草が、根のある土から上へ伸びています。細い茎の間には幅の広い葉が重なり、下では根が地面からのぞきます。遠くの景色や人物を描かず、足元にあるような植物を画面いっぱいに見せています。
右側には大きな葉が集まり、中央には背の高い草が立っています。淡い空白に向かって先端が細くなり、下の土は茶色に沈みます。地上と地面の下を一緒に見られる構成です。
作品の見どころ
まず、一本の茎を先端から根元まで追ってみてください。途中で別の葉に隠れ、また現れる場所があります。草が重なる前後の関係を、緑の濃さと細い輪郭で描き分けています。
次に葉の縁や折れた部分を見ると、植物ごとの硬さや曲がり方の違いを感じられます。上の広い余白があるため、細い草の先が埋もれず、一本ずつの形を探せます。
制作背景
一五〇三年の水彩で、白や不透明な絵の具も使っています。所蔵館は、個々の植物を調べた成果を室内で組み合わせた可能性を挙げています。
そのため、道端の一角をその場で写し取っただけとは言い切れません。見慣れた草でも、葉の重なりや根まで確かめると、ひとかたまりの中に多くの形があると気づかせる作品です。
出典・画像について
画像:Albrecht Dürer《大きな芝草》/The ALBERTINA Museum, Vienna / Albrecht Dürer, Google Art Project, via Wikimedia Commons
Commonsの忠実な平面複製のPDM表示を採用。複製画像の扱いには法域差があり、ALBERTINAは配布画像の複製権を主張しています。
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