何が描かれているか
鎧を着た騎士が馬で険しい道を進む。右には砂時計を持つ死の像、後ろには角のある奇怪な姿が見える。犬も馬の足元を歩く。
行く手は明るく開けていない。岩と木が道を狭め、人物たちが近い距離に集まるため、騎士の前進がいっそう強く感じられる。
作品の見どころ
馬の筋肉、甲冑の金属、岩のざらつきが細い線だけで描き分けられる。背景の密度を追うと、小さな紙の中に広い空間が生まれている。
題名にある「死」と「悪魔」は道中の脅威として描かれるが、騎士が何者でどこへ行くのかを一つの答えに決める必要はない。
制作背景
メトロポリタン美術館は1513年の銅版画として記録する。刷られた紙の作品であり、油彩の板絵や祭壇画と同じ材料の絵ではない。
翌1514年の《メランコリア I》と並べると、デューラーが版画で物語や思考をどう違う形にしたか分かる。二枚を一つの連作と断定する説明はここでは避ける。 遠景には城らしい建物も見えるが、騎士がそこを目的地としているとまでは資料から断定できない。画面の細部と物語の解釈を分けて読む。
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この画家について本で読む
ドイツ・ルネサンスの挑戦 デューラーとクラーナハ
田辺 幹之助 監修・著/新藤 淳・岩谷 秋美 著 / 東京美術
デューラーとクラーナハを軸に、宗教改革や宮廷文化と結びついたドイツ・ルネサンスの表現をたどる一冊です。
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