競漕するビグリン兄弟
画家 トマス・イーキンズ →The Biglin Brothers Racing / ナショナル・ギャラリー(ワシントン)
揃って動く二人の腕。そのすぐ手前に、競争相手の舟が細く入り込んでいます。
何が描かれているか
白いシャツと青い帽子の兄弟が、一艇のボートを進めています。描かれるのは、プロの漕手ジョンとバーナード・ビグリン。所蔵館は、1872年5月にスキルキル川で行われ、多くの観客を集めた競漕と結びつけています。対岸や船上の小さな人影も、二人を見守る観客です。
作品の見どころ
近い側の漕手は顔を少し横へ向けています。館の解説では、相手の舟との位置関係を確かめる仕草です。手前に見えるもう一艇の先端が、その視線に理由を与えています。伸びる腕と傾いた上体、反復するオールに注目すると、水面の静けさとは違う競技の緊張が現れます。
制作背景
イーキンズは自らもボートを漕ぎ、競技を身近に知っていました。ただ筋肉を正確に写すだけでなく、漕手が何を見て、どの動作へ移ろうとしているかまで絵にしています。《マックス・シュミット》の一人の姿から、相手を意識して進む二人へ。ボート画の中でも、関心の違いが分かる一枚です。
出典・画像について
画像:Thomas Eakins《競漕するビグリン兄弟》/競漕するビグリン兄弟 — Thomas Eakins / National Gallery of Art / CC0 1.0
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