シングルスカルのマックス・シュミット
画家 トマス・イーキンズ →The Champion Single Sculls (Max Schmitt in a Single Scull) / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
レースの最中ではなく、川の上でふと振り返る一人の漕ぎ手。遠くの小舟には画家自身もいます。
何が描かれているか
手前のボートに座るのは、画家の旧友マックス・シュミットです。背後には別の漕ぎ手と、川を横切る橋。メトロポリタン美術館は、1870年秋のシュミットの勝利を記念する絵と考えられる、と説明しています。競争の激しさより、舟を浮かべる川の静かな広がりが印象に残ります。
作品の見どころ
細い船体と長いオールが、水面に鋭い線を引いています。丸い波紋、橋脚の映り込み、遠近の違う舟を辿ると、穏やかな眺めの中に細かな空間の組み立てが見えてきます。中央寄りの小舟を漕ぐ人物はイーキンズ自身。友人の記念像の中に、自分も川の仲間として入っています。
制作背景
ヨーロッパ留学から1870年に帰国した後、イーキンズは故郷フィラデルフィアのボート競技を描き始めました。この作品は、その最初の主要作です。遠い土地の物語ではなく、自分が漕ぎ、友人が競うスキルキル川を、画家として出発する場所に選んだことが伝わります。
出典・画像について
画像:Thomas Eakins《シングルスカルのマックス・シュミット》/シングルスカルのマックス・シュミット — Thomas Eakins / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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