1898〜1899年
54歳頃

ラウンドの合間

画家 トマス・イーキンズ →
Between Rounds / フィラデルフィア美術館
拳を交える瞬間ではなく、椅子に腰を落とす休息。リングの熱気は、休んでいる体にも残っています。

何が描かれているか

リングの隅で、一人のボクサーが座って手当てを受けています。周囲には世話をする人、試合を見守る人。題名が示すのは、ラウンドとラウンドの間の短い時間です。勝利のポーズではなく、次の動きへ備える体が中心になっています。

作品の見どころ

前かがみの体と、そばに伸びる腕が、休む選手を囲んでいます。ロープの線を越えた奥には、多くの観客の顔。静止した人物が大きく見える一方、会場の密度や熱気は失われません。スポーツの迫力を、激しい動作だけで伝えようとはしていないのです。

制作背景

イーキンズは1890年代末、競技を描く題材へ戻りました。所蔵館によれば、この絵は特定の一試合をそのまま再現したものではなく、複数の試合で見た細部を組み合わせています。登場人物にも個別にポーズを取ってもらいました。現場らしさは、綿密に組み立てた制作の結果なのです。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい・カンヴァス
所蔵
フィラデルフィア美術館

出典・画像について

画像:Thomas Eakins《ラウンドの合間》/ラウンドの合間 — Thomas Eakins / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / 配布元の個別画像・利用条件(画像情報:2026-10-19 確認)
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