スキルキル川の寓意像を彫るウィリアム・ラッシュ
画家 トマス・イーキンズ →William Rush Carving His Allegorical Figure of the Schuylkill River / フィラデルフィア美術館
服を脱いで立つモデルと、彫刻に向かう職人。これは、過去の工房をそのまま記録した絵ではありません。
何が描かれているか
彫刻家ウィリアム・ラッシュが、スキルキル川を表す女性像を彫っています。モデルのそばには椅子に置かれた衣服。暗い工房には、ほかの彫刻も見えます。イーキンズは、同じフィラデルフィアで活動した先人を、作品を作る手と体の関係の中で描きました。
作品の見どころ
光の中に立つモデルと、作業をするラッシュの姿は、工房の暗がりによって結ばれています。完成した像だけでなく、その手前にいる生身の人へ目を向けさせる構図です。公開時には、女性が裸体であることに加え、脱いだ衣服が前景にあることまで批判の対象になりました。
制作背景
所蔵館の解説は、実際のラッシュがこの像に裸体モデルを用いたとは考えにくい、と注意しています。つまり目撃された制作場面ではなく、イーキンズが組み立てた歴史の場面です。人体を観察して学ぶという自分の考えを、尊敬する先人の仕事に重ねた絵として読む必要があります。
出典・画像について
画像:Thomas Eakins《スキルキル川の寓意像を彫るウィリアム・ラッシュ》/スキルキル川の寓意像を彫るウィリアム・ラッシュ — Thomas Eakins / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
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