考える人―ルイス・N・ケントンの肖像
画家 トマス・イーキンズ →The Thinker: Portrait of Louis N. Kenton / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
ただ立っている一人の男性。それでも、足の置き方と俯いた顔だけで、長く見ていたくなる肖像です。
何が描かれているか
暗い服のルイス・ケントンが、何もない背景の前に立っています。両手はポケットへ入れ、視線は下へ。彼はイーキンズの妻スーザンの妹と結婚した人物です。しかし本や職業の道具など、身元を説明する手がかりはほとんど置かれていません。
作品の見どころ
大きな余白の中で、靴と床の接点が体の重さを支えています。下げた頭と丸みのある肩は、胸を張る公式肖像とは違います。何を考えているかが分からなくても、その人がそこに立ち続けている感じは残る。動きの少なさが、かえって姿勢の細部をよく見せています。
制作背景
《考える人》という呼び名は、裏面の書き込みに由来します。所蔵館は、その文字をスーザンが加えたらしい、としています。初めから画家が定めた心理の説明とは限りません。題名に導かれながらも、実際に見える姿と、そこから想像する心の内を分けて眺めたい作品です。
出典・画像について
画像:Thomas Eakins《考える人―ルイス・N・ケントンの肖像》/考える人―ルイス・N・ケントンの肖像 — Thomas Eakins / The Metropolitan Museum of Art / CC0 1.0
紙の縁や額縁を含む配布画像の全景を保持。配布画像の全体を比例縮小。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
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