画家の妻と愛犬のセッター
画家 トマス・イーキンズ →The Artist's Wife and His Setter Dog / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
本を手にした妻と、足元で休む犬。穏やかな室内画にも、描き直しの跡を辿る手がかりがあります。
何が描かれているか
椅子に座るのは、画家で写真家でもあったスーザン・マクダウェル・イーキンズ。足元に横たわるのは、愛犬のハリーです。場所は二人が結婚後に暮らしたフィラデルフィアのアトリエ。よそ行きの記念写真のように整列せず、読書の途中にふと顔を上げたような姿で描かれています。
作品の見どころ
淡い青の衣服と、暗い部屋の対比が目を引きます。体を支える椅子と、床に伸びる犬を一緒に見ると、人と動物が同じ部屋で過ごす時間が感じられます。モデルを肩書きだけで説明せず、日々をともにする相手として見つめた肖像です。
制作背景
所蔵館は、結婚した1884年の直後に着手し、のちに描き直したと考えています。1886年の写真製版では、妻の姿が今よりふっくら見えることが根拠です。改作を画家の教職辞任後の苦悩に結びつける解釈も紹介されますが、その心理まで確定した事実ではありません。
出典・画像について
画像:Thomas Eakins《画家の妻と愛犬のセッター》/画家の妻と愛犬のセッター — Thomas Eakins / The Metropolitan Museum of Art / CC0 1.0
紙の縁や額縁を含む配布画像の全景を保持。配布画像の全体を比例縮小。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
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