1600年頃
50代後半頃

枢機卿すうきけいの肖像

画家 エル・グレコ
Portrait of a Cardinal / メトロポリタン美術館
赤い法衣が画面を満たす一方、眼鏡を通した視線は鋭い。人物は枢機卿ニーニョ・デ・ゲバラと考えられているが、所蔵館も断定していない。

何が描かれているか

赤い法衣の聖職者が木の椅子に座り、眼鏡越しにこちらを見る。白い衣と床の模様が、赤の広がりを区切っている。
人物はフェルナンド・ニーニョ・デ・ゲバラ枢機卿と考えられている。ただし所蔵館は「おそらく」としており、確定した名札のようには扱わない。椅子の垂直線に対して法衣が大きく広がり、座る人物の身体を画面いっぱいに見せる。

作品の見どころ

法衣の赤だけでなく、眼鏡の細い線と、椅子を握る手に注目しよう。大きな色の面と小さな緊張が同居している。
豪華な地位を示す衣装に対し、顔は理想化されすぎていない。目、眉、頬の左右差まで描くことで、役職だけではない個人の存在感が出る。赤い衣から顔へ目を上げ、最後に眼鏡越しの視線を見ると、地位と個人の表情が順に現れる。

制作背景

1600年頃の肖像で、現在はメトロポリタン美術館が所蔵する。モデルの同定に留保があるため、題名も一般的な《枢機卿の肖像》を用いる。
宗教画の細長い聖人像とは別に、エル・グレコが同時代の人物をどのように観察したかを示す作品である。人物名には留保があるため、服装が示す役職と、固有名による同定を別々の情報として扱う。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
29.100.5

出典・画像について

画像:El Greco枢機卿の肖像》/枢機卿の肖像 — El Greco / The Metropolitan Museum of Art, Open Access
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-11 確認)
CC0または所蔵館Open Accessとして提供された画像です。
間違いを見つけたら、教えてください →