何が描かれているか
左の聖ヨハネは青い衣を着て、両腕を大きく上へ伸ばす。右では裸の人物たちが白い布を受け取り、細長い身体をさまざまな方向へ曲げている。
題材は『ヨハネの黙示録』の第五の封印。殉教者たちが白い衣を与えられる幻視を描くが、画面上部が失われているため、現在は場面の一部だけが残る。左の大きな人物と右の群像の間に空間があり、伸ばした腕と白布がその隔たりを横切る。
作品の見どころ
ヨハネの腕から右の裸身へ、上向きの動きを追ってみよう。全員が地面に安定して立つのではなく、身体の線そのものが驚きや願いを表す。
上部がないことを知ると、人物が画面の外へ手を伸ばす理由が分かりやすい。欠けた部分を想像しながら見ることも、この作品の現状を正しく味わう方法になる。切断面に近い上端へ目を向けると、現在の画面外にも動きが続いていたことを想像しやすい。
制作背景
1608〜1614年頃の晩年作で、トレド郊外の病院の祭壇画の一部だった。完成時は現在より大きく、上に別の幻視が続いていた。
19世紀末に上部が切断されたとされ、現在の長方形は画家が最終的に決めた形ではない。メトロポリタン美術館はこの状態を明記して所蔵している。失われた上部の具体像は確定しないため、現存部分と復元的な説明を同じ確かさでは語らない。