1777〜1778年頃
40代半ば頃

かんぬき

画家 フラゴナール
Le Verrou / ルーヴル美術館
男性が扉のかんぬきへ手を伸ばし、もう一方の腕で女性を引き寄せている。左には大きな赤いカーテンと寝台。親密な場面にも緊張した場面にも見え、女性の意思を一つに決めつけずに読む必要のある絵だ。

何が描かれているか

右側では男性が高い位置のかんぬきに手をかけ、近くに女性の姿がある。左側を占めるのは、赤いカーテンと乱れた寝台。人物のいる部分へ強い光が差し込み、他の場所は暗く沈んでいる。
閉じる動作と、男女の近い距離が題材の中心となる。ただし、女性がどのような気持ちでそこにいるかを画面だけから確定することはできない。単純に幸福な恋人同士の場面と説明すると、残る緊張を見落としてしまう。

作品の見どころ

左下の寝台から人物、右上の手へと斜めの線を追ってみよう。最後に視線が小さなかんぬきへ届く。画面の広い部分を布や寝台が占める一方、題名となる物は小さい。その大きさの差が効いている。
赤い布と金色の服は温かく見えるが、部屋を閉ざす動作には別の意味も感じられる。光や色の美しさを味わうことと、描かれた人の関係を考えることが、必ずしも同じ答えにならない作品だ。

制作背景

ルーヴル美術館は1777〜1778年頃の制作とする。ヴェリ侯爵のために作られ、宗教画《羊飼いの礼拝》と対になる作品として扱われた。対作品とは、二枚を関連付けて見るように考えられた絵のこと。
所蔵館はこの組み合わせを、聖なる愛と世俗の愛の対照として説明している。私的な室内画でありながら、もう一枚との関係も意味を支えていた。単独で見るときにも、その成り立ちを知っておくと読み方が広がる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ルーヴル美術館
目録番号
RF 1974 2

出典・画像について

出典:ルーヴル美術館 作品記録・解説2026-09-10 確認)
画像:Jean-Honoré Fragonardかんぬき》/かんぬき — Jean-Honoré Fragonard / Web Gallery of Art / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-10 確認)
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