1771〜1772年
30代末〜40歳頃

恋の成り行き:恋人の戴冠

画家 フラゴナール →
The Progress of Love: The Lover Crowned / フリック・コレクション
花の冠を差し出す手と、二人を描く第三の人物に目を向けると、恋の一場面を飾る絵の仕組みが見えてきます。

何が描かれているか

庭園で、座る女性が男性の頭へ花の冠を差し出している。右下には画板を持つ人物が座り、二人の方を向く。花々、石の台、樹木が人物の身ぶりを引き立てる。
左の男性は女性へ体を向け、彼女の手の動きに応じているように見える。右の人物も含めた三角形の配置を追うと、恋人同士のやり取りと、それを見つめる人の存在を一緒に楽しめる。

作品の見どころ

明るい衣服と赤い服は、深い緑の庭の中で目を引く。人物の上には大きな木と青空が広がり、左の石像は暗く沈む。細かな花を見たあと全体に戻ると、庭の広さと人物の近さの違いが分かる。
冠を与える行為は、二人の結びつきを祝う場面として眺められる。ただし実際の結婚式や、特定の恋人の肖像と決めつける必要はない。画板にも注目し、恋が絵に残されることを考えてみたい。

制作背景

1771〜1772年にデュ・バリー夫人のために描かれた主要4枚の一つ。パリ郊外ルーヴシエンヌのパヴィリオンを飾るための連作れんさくで、《追いかける恋》《逢い引き》《恋文》と並ぶ。
夫人は4枚を採用せず、1790年頃に画家は故郷グラースのいとこの家へ移した。のちに描かれた追加の画面と一緒に飾られた絵であり、連作全体が同じ年に制作されたわけではない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
フリック・コレクション
目録番号
1915.1.48(Commons掲載目録番号)
位置づけ
恋の連作の主要4枚を比較する

出典・画像について

画像:Jean-Honoré Fragonard《恋の成り行き:恋人の戴冠》/恋の成り行き:恋人の戴冠 — Jean-Honoré Fragonard / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
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