1753〜1756年頃
20代前半頃

ディアナとエンデュミオン

画家 フラゴナール
Diana and Endymion / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
眠るエンデュミオンのもとへ、女神ディアナが近づく。雲、布、翼のある子どもが斜めにつながり、静かな眠りの場面に軽い動きが生まれている。若いフラゴナールの、装飾的な神話画の一枚だ。

何が描かれているか

右下では若い男性が赤い布に身を預け、眠っている。左上には青い布をまとったディアナが浮かび、その間を翼のある子どもがつなぐ。地面には羊や犬も見え、雲の世界と地上が一つの画面に重なる。
ディアナとエンデュミオンという神話の登場人物を描く。現実の夜の記録ではなく、眠る青年を訪れる女神の場面である。題名を知ると、雲の上の女性と地上の男性の関係が読み取りやすくなる。

作品の見どころ

青い布から白い肌、赤い布へと続く色の流れを追ってみよう。斜めの配置が上下の世界をつなぎ、空から地上へゆっくり降りてくるような動きを感じさせる。
人物の輪郭りんかくは固く閉じられず、雲や背景と柔らかくなじむ。羊や犬を細かく探す前に、大きな明るい形のつながりを見ると、装飾画としてのまとまりを味わいやすい。

制作背景

制作は1753〜1756年頃。所蔵館の研究によると、出入口の上などに掛ける装飾画として作られ、現在の長方形の画面には後から加えられた部分がある。もとの形と現在の形は同じではない。
かつてブーシェの作品とされていたが、現在はフラゴナールの作品としてワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵される。師から学んだ柔らかな色や神話表現を考えるうえでも、興味深い一枚だ。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
目録番号
1960.6.2

出典・画像について

画像:Jean-Honoré Fragonardディアナとエンデュミオン》/ディアナとエンデュミオン — Jean-Honoré Fragonard / National Gallery of Art, Washington / Wikimedia Commons
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-10 確認)
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