1802年頃
28歳頃

頬杖をつく自画像

画家 カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ →
Selbstbildnis mit aufgestütztem Arm / ハンブルク美術館 版画素描室
若い画家の顔と手を、細い線の重なりから見つめる。

何が描かれているか

窓のそばに座る若い画家が、右手で頭を支えている。巻いた髪と口ひげが目立ち、もう一方の手は机上の紙に置かれている。顔だけを切り取らず、窓、植木鉢、机まで一緒に描いた自画像である。
服や首の陰は、細い褐色かっしょくの線を何度も重ねて作られている。右側の壁には縦線が続き、窓辺の明るい紙の地と対照をなす。髪の曲線と背景の直線を比べると、線の働きがよく見える。

作品の見どころ

画家の右手には細い筆記具が残り、左手の下には描きかけの紙がある。共同公式資料は、この姿を作業を中断して窓の外へ目を向けた場面と説明している。手と視線の方向をたどってみたい。
この姿勢から、実際の気分や性格まで決めることはできない。目の周りの細かな線、頬を支える指、肩から袖そでへ続く輪郭りんかくを順に見ると、顔の表情だけではない描写の工夫に気づく。

制作背景

1802年頃、二十代後半のフリードリヒによる素描そびょうで、ハンブルク美術館が所蔵する。鉛筆の下描きに褐色インクのペンを重ねたもので、油彩ゆさいの肖像画や版画はんがではない。
共同公式資料は、別の横顔の肖像との比較を年代の手掛かりとしている。「頃」という幅を残して見る作品である。大きな風景画の前に、若い時期の線の扱いを確かめられる。

作品情報

材質・技法
紙に鉛筆の下描き、褐色インクのペン
寸法
26.7 × 21.5 cm(縦 × 横)
所蔵番号
1932-153

出典・画像について

画像:Caspar David Friedrich《頬杖をつく自画像》/Hamburger Kunsthalle / bpk; Foto: Christoph Irrgang
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-10-02 確認)
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