何が描かれているか
少年は片手を腰に当て、もう一方の手に帽子を持つ。青い衣装は上着から短いズボンまで続き、足元の暗い草地と曇った空の前に全身が立つ。
姿勢は落ち着いているが、袖や胸元の青は光で細かく変わる。人物の顔より先に色が目へ届き、それから手や足の位置を確かめることになる。
作品の見どころ
近くで見ると青は一色ではなく、明るさの違う筆触が重なる。離れるとばらばらの線が絹の光沢としてまとまり、服そのものが画家の技を見せる。
17世紀のヴァン・ダイクを思わせる衣装と全身肖像の型を借りながら、ゲインズバラは自分の色と筆使いを前面に出した。 帽子を下げた手と腰に置いた手の違いも、自然な立ち姿を作る。
制作背景
ハンティントン美術館は1770年の作品とし、この年のロイヤル・アカデミー展出品を記す。当時の題名は《若い紳士の肖像》で、後に《青衣の少年》という通称が定着した。
モデルは長くジョナサン・バタルと考えられたが、所蔵館の保存研究はその同定を確実とはしていない。ここでは少年として紹介し、人物名を断定しない。