神像、人物、色の広がる水面が三段に重なる。タヒチから戻ったパリで、島の記憶を組み立て直した作品だ。
何が描かれているか
海辺の奥に大きな神像が置かれ、その左右に人々が立っている。中央の桃色の地面には三つの人物の姿があり、手前の水面には青、黄、橙、緑の形が広がる。遠くには山と海、空が見えるが、近くの水は風景を自然に反射していない。神像のある場所と横たわる身体、曲がる色の形が上下に重なる構図である。
作品の見どころ
手前の水面を見てから、奥の神像へ視線を移してみよう。水の色は、実際の物の映り込みより独立した模様に近く、身体の輪郭とも響き合う。中央の人物は立つ、座る、横たわるといった姿勢の違いを見せる。三つの形を一つの決まった物語へ当てはめるより、配置と色の変化が作るリズムを味わいたい。
制作背景
1894年の油彩で、シカゴ美術館所蔵。制作場所はタヒチではなく、最初の滞在を終えて戻ったパリである。同館は、島での経験や想像を組み合わせた場面として説明している。実際の宗教儀礼を現場で写したという意味ではない。記憶を絵へ変える過程に注目すると、風景らしい奥の景色と、抽象的な手前の色の違いが、画家の構成として分かりやすくなる。
出典・画像について
画像:ポール・ゴーギャン《神の日》/Art Institute of Chicago / Wikimedia Commons
所蔵館のCC0条件を確認した図版。全景を保ちWebPへ比例縮小。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
もっと知りたいゴーガン
六人部 昭典 著 / 東京美術
ゴーギャンの生涯と作品をたどり、絵に込められた神話や宗教的な主題を解説する入門書です。リンク先は中古本の販売ページです。
楽天市場で見る →